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2022.05.13

【COMPANY】お客様の“オンリーワン”を目指す美容師の『接客・サービス』5つの極意【連載vol.3】


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お客様のオンリーワンになるための「接客・サービス」ポイント5つ(前編)

美容師に軸足を置いて活動していくことに決めた僕。
ありがたいことに人に恵まれ、僕より若いスタッフがいる今の現場はとても刺激的で、彼らから沢山学んでいます。

学んでばかりでは申し訳ないので、気づいた事などはアドバイスさせてもらったり、AUBEさんのアカデミーサロンで教える機会をいただいたりもしています。

僕の「接客・サービス」は、これまでの経験から学んだ全てが凝縮されたものです。

まだまだ進化させていきたいと思っていますが、後輩を育てて「お客様に寄り添える素敵な美容師を世の中に増やしたい!」というもう一つの目標のために、僕が思うその極意をここでシェアしたいと思います。

 

Point 1.悩みや希望を正しく把握して、望み以上の仕上がりを目指す

どんなに腕のいい美容師でも、自分のスキルを一方的に提供するだけではお客様の満足は得られないはずです。

まずは丁寧なカウンセリングで、お客様の悩みや希望を正しく把握します。

当たり前のことですが、これはなかなか至難の業。
というのも、お客様は美容師ではないので、自分の悩みや希望を説明することが上手ではありません。考えてみれば当然ですよね。

「ヘアカタログを持参したけど、何か違う…」
「うまく伝えられないけど、こんな雰囲気がいい」

大半の方が漠然としたイメージを伝えてきます。
そこを上手く汲み取るのが美容師のスキルです。

もちろん、豊富な知識や経験は大きな助けになりますが、必要なのは共感力。
初めての美容室は特に緊張するものです。そこで「今日はどうなさいますか?」と聞かれて「こうしたい」とハッキリ答えられるお客様はいったいどれくらいいるでしょうか?

大事なのは、「どうなさいますか?」と答えを求めることではなくて、
「今日はどんなお悩みがあって美容室にいらしたんですか?」
「今どんなことにお悩みですか?」
と、悩みを引き出すこと。

「こうなりたい」というイメージが上手く伝えられないお客様でも、「悩み」だったら具体的に言葉にしやすいはずです。

その悩みに共感することで、お客様に安心していただきましょう。
共感は安心の第一歩。そこから潜在的な悩みが沢山聞けるようになるので、初めの「今日はどんなお悩みがあって美容室にきたんですか?」が後々とても効いてくるんです。

僕の場合、お客様の口から「そうなんです」の言葉が最低でも4回は出てくるくらい丁寧なカウンセリングを心がけています。

初めてのお客様なら以前の美容室、美容師を変えた理由もこの時点で聞き出しておきたいところです。

その人が根本に抱えている悩みや不満を把握し、それを僕が持っている知識と技術で解消する。そうやってお客様自身も気づいていなかった本来の理想を叶えられたら、期待を超える価値を提供できますよね。

そうなれば“今回限り”とはならないはずです。必ず次につながります。
お客様にとってのオンリーワンの美容師になる極意はそこにあるのではないでしょうか。

 

Point 2.良きアドバイザーとなって、お客様と一緒に美髪を育てていく

お客様の不満に多いのが「美容室帰りのヘアスタイルが再現できない」というもの。
美容室ではトリートメントやプロのスタイリングで美しく保たれていた髪も、いざ自宅で再現しようとしてもなかなか上手くいかない…。

そうなるとお客様はまたお悩みを抱えたまま、新しい美容室や美容師を探すはめになります。実は多くのお客様がこれを繰り返していらっしゃるんですよね。

美容師は魔法使いではありません。でもお客様はそれを期待する傾向にある。
1〜2か月に1回美容室に来るだけでは、当然綺麗な髪を維持することはできません。
やはり自宅での日々のケアで、髪質そのものを時間をかけて変えていく必要があります。

美容師の常識が、お客様にとっては当たり前ではないという事実…。
お客様は髪のプロフェッショナルではないので無理もありません。

それを心得て、自宅でのケアやスタイルの作り方を適切に説明しているかどうかが、固定客がつかない美容師と、長く支持される美容師との違い。適切な助言をしながらお客様を導いていけるかにかかっています。

“適切な助言”とは、お客様にとって実現可能な提案をするということ。生活に取り入れて習慣にできなければ意味がありませんからね。

たとえば僕の場合、新しいシャンプーやトリートメントをその場で購入していただくより、まずお家にあるものでケアする方法をお教えすることが多いです。その方がお客様に親切ですから。

賛否両論あるかもしれませんが、シャンプーやトリートメント、オイルなどは全てネットで買える時代。美容室でしか買えない商品が減ってきたので、ネットでの購入をおすすめする場合もあります。

ネットでも買えない、僕からも買えない商品は近くで取り扱っている美容室を紹介したりもしています。全てお客様ファースト。

他にも、ドライヤーを使った正しい乾かし方など、初歩的なことからお伝えするようにしています。毎日のケアがとても大切なので、続けられる環境に整えていく手助けをしたいんですよね。

自宅でのケアの最中、僕の事が少しでも頭をよぎってくれたらさらに嬉しいじゃないですか。お客様の日常に溶け込める美容師でいたいと思っています。

お客様には「美容師にまかせきり」ではなくて、アドバイスを受けて自分の髪を育てていくという意識を持っていただく。

そうなると、美容師と共に歩んでいく感じがしてお客様も嬉しいのではないでしょうか。
「綺麗な髪を一緒に育てていく」というスタンスです。
長いお付き合いになるのも必然ですよね。

良きアドバイザーとなって、美髪はもちろんお客様との関係も丁寧に育んでいくことを心がけています。

 

Point 3.ときには引き算のサービスを提供する

僕が仕事で心がけているのは、思いやりのある接客。
長いお付き合いをしていきたいと思っているので、目先の利益にとらわれず、その人にとってのベストを尽くそうと決めています。

「自分が損をしてもお客様が得をする方を優先する」のが僕のポリシー。
ときには引き算のサービスも大事だと考えています。

売り上げばかり気にしていたら、お客様にとって本当にいいケアができなくなってしまいますよね。目指す方向がブレてしまうし、結局お客様からも満足していただけず、それっきり…。なんてことも。

それは絶対に避けたいことなので、僕が得することは考えません。
それは美容師を始めたときからとても大切にしていることです。

実際に、お客様が予約時に入れていたメニューに「必要がない」というものがあれば、きちんとお客様に説明し、よりシンプルなメニューに変更するようにしています。

潜在的な悩みを解決するのが僕の仕事。
何がお客様にいちばん必要かをしっかり見極めて、分かりやすく説明します。

たとえば縮毛矯正のタイミングやトリートメントなどは、メニューを減らして引き算のサービスを提供することが多いです。

高いトリートメントが必ずしも良いわけではなくて、お客様のお悩みやライフスタイルに合うトリートメントを選ぶのがベスト。結果、予約時より料金が安くなることも珍しくありません。

でも、お客様には喜んでいただけます。
リーズナブルになる上に、何よりも「美容室の利益ではなく、自分のためを思って最善を尽くしてくれている」と感じてくださるはずです。

その結果、何より大事な「お客様からの信頼」を得ることができます。

目先の利益にとらわれないことが、結果として将来的な利益につながっていく。
良い接客やサービスって、お互いが幸せになる好循環を生むんだと思います。

【連載vol.4】お客様の“オンリーワン”を目指す美容師の【接客・サービス】5つの極意

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Writer この記事を書いた人

美容師歴14年目。現在はAUBE HAIR tokyo銀座3号にてフリーランスとして活動中。 自身が理想とする美容師像を貫きながら、年間指名3000名を担当し、2021年にはAUBE300店舗のなかで総売上・指名売上・指名数1位を達成。