夢は「誠実で心がこもった接客に満たされたサロン」の実現
20歳で店長となり、22歳の今日まで毎月220件以上の予約が入り続けている、東京・原宿『THE DOT』のスタイリスト、KAITOさん。将来のさらなる活躍が期待されるKAITOさんに、スタイリストとして成長し続けるための仕事習慣を教えていただきました。
―最初に、ご経歴を教えてください。
僕は、高校から美容師専門学校に入学し、在学中に美容師免許を取り、卒業してすぐ美容師になりました。いま働いているサロンとは違う店に入社して、同期は全員年上でした。ですが、それが「年下だからこそ負けていられない」というモチベーションになり、入社11カ月目でスタイリストデビューしました。前サロンのデビューまでの平均期間は3~4年ですから、サロン史上最速のデビューでした。
美容師になって1年が経った頃から、若さを生かして他の美容室の接客や技術を身に付けたいと思い始め、現在のサロンへ転職しました。20歳で店長となり、その当時から今日まで、毎月220件以上のご来店をいただいています。現在22歳、今年23歳になります。
―スピードデビューできた要因は何でしょうか?
たぶん、誰よりも勉強したことと、いまも毎日の勉強を欠かさないことが、早いステップアップにつながったと思います。僕は早く親に恩返しをしたくて、中学~高校生時代も社会人になってからも、空いた時間のほぼすべてを美容師の勉強に費やしてきました。学生時代は、友達が遊んでいる時間も勉強しました。いまも通勤時間にさまざまな技術の動画を見たり、風呂やちょっとした空き時間にも何かしら勉強したりしています。中学生のときから勉強することが習慣になっているので、苦労している感じはなく、日常生活の一部という感覚です。
―何がKAITOさんの勉強欲をそこまでかき立てるのですか?
すべては、親や関わってくださった人たちへの感謝と恩返しです。実は僕、中学生時代はあまり学校へ行っていなくて、親に心配をかけていました。学校へ行かないと髪型を自由にできるので、独学で覚えた技術で自分の髪をスタイリングするようになりました。すると友人から、「カッコイイ!」「俺にもやって!」と言われるようになって。それで美容師の道を考え始めました。親に相談したら、快く「いいよ」って言ってくれたので、美容師について学べて免許が取れる高校へ進学しました。美容師の道を教えてくれた友達と育ててくれた親には、感謝しかないです。もう一つの要因として、僕は人一倍劣等感を覚えやすいため、現状に満足せず、追求し続ける事でメンタルを安定させている面があるかもしれません。
来店数は毎月220件超!その理由は…
―ミニモでの集客方法の勉強もしていますか?
文章の書き方やアピールポイントについては、ありのままの自分を誠実に書けばいいと思っていて、テクニック的な工夫はしていないです。強いて言えば、専門用語を使わないように気を付けて、誰が見ても分かる文章にしています。
それでも毎月ミニモだけで80件以上の予約が入りますから、ミニモの存在はありがたいです。他に大手集客サイトやインスタグラム、紹介などからの予約ルートがあります。おかげさまで、毎月220件~240件を接客しています。
―毎月220件超え!すごい数ですね。
僕は接客件数を増やすことにこだわりはなく、どちらかというと一名ずつ丁寧に接客をしたいのですが、メンズに特化しているため、丁寧に接客しても1日最大17件、月220件以上が可能になります。うち約80%がリピーターなので、あまり新規獲得は意識していないです。
サロンワークを事務的な作業にしない。美容師は接客サービス業である
―リピート率80%も凄い数字です。高いリピート率を維持する方法はありますか?
僕は、美容師になってから一貫してこだわっていることがあります。それは「サロンワークを事務的な作業にしない。美容師は接客サービス業である」という意識です。美容師は毎日、カットやカラーなどの作業を繰り返します。僕たちにとってそれは同じような作業でも、お客様一人ひとりにとってはまったく違います。忙しい時間の合間を縫ってサロンに来てくれる、特別な時間です。僕たちは、それを忘れてはいけないと思うんです。サロンに来て仕上がりに満足して、気持ちよく帰っていただくまでの時間をいかに創り上げるか。僕はいつもそれを考えながら接客しています。
話しかける頻度や話す内容は、お客様がいちばん心地いいと思う程度を探ります。カウンセリングでは、例えば「レイヤー」というワードひとつでも個々人の描くイメージが違うので、どういうレイヤーにしたいかを細かくすり合わせます。お客様からの口コミで「丁寧」「繊細」「分かりやすい」とお褒めいただくので、お客様に合わせた細部までの丁寧な接客が満足につながり、リピートしてくださっているのではないかと思います。
―最後に、今後の目標を教えてください。
20代で自分のサロンを持つことが目標です。1年後の実現を目指しています。自分のサロンは、一人ひとりのお客様のために、誠実に丁寧に、心をこめた接客で満ちあふれる雰囲気にしたいと思っています。そのために僕はこれからも勉強を続けます。いままで手を付けていなかった、経営や営業に関する知識をつけていく予定です。
編集後記
男性の美容への興味や投資が一般的になったのは、ここ数年のことです。美容業界側にとって、メンズ特化の技術や集客ノウハウは、まだまだ発展途上の部分があります。そんな中だからこそ、メンズスタイルに関する圧倒的な勉強量とおもてなしの心を持ったKAITOさんに予約が集中するのは、ごく自然なことだと感じました。