ミニモでの集客数を上げるため、こまめにページを更新している人は多いと思いますが、正直、1日に何度も更新するのは大変ですよね。そんな中、ミニモを使い始めたときに比べて更新頻度を3分の1に減らしても、集客数が変わらず、かつ高い指名率とリピート率を維持しているスタイリストがいます。池袋・RecheRche(ルシェルシュ)所属のフリーランス・スタイリスト、坂口飛翔(さかぐち・あすか)さんです。どんな工夫をしているかをお聞きしました。
ばかばかしいと言われても「愛情を込めた接客」に勝るサービスはないと信じています
―最初に、坂口さんのご経歴をお聞かせください。
私が美容師になって、今年で13年目になります。21才で渋谷の美容室チェーンに就職し、24才のときにスタイリストデビューをしました。その後、個人経営の美容室へ転職し、プライベートでは結婚をして、子どもが生まれました。このときすでに安定した売上がありましたが、家族が増えたことでさらに稼ぎたい気持ちが強くなり、26才のときに業務委託で働ける現在の美容室に来て、いま6年目になります。
―ミニモはいつから使い始めましたか?
6年前からです。その前からミニモの存在は知っていましたが、当時はミニモの認知度が低い印象があったため、使っていませんでした。現在の美容室へ来たとき、集客数が多い先輩スタイリストがミニモで集客している姿を見て、自分も使ってみようと思って始めました。
―使い始めてからどのくらいの期間で、満足いく売上になりましたか?
1年も経たないうちに、私の集客の7割がミニモからになり、売上が100万円を超え、店での指名数もナンバーワンになりました。フリーランスは絶対にミニモを使ったほうがいいと思います。手数料はかかりますが、集客の手間や広告宣伝費が減らせることを考えれば、必要経費だと思います。
予約がいっぱいの状態が続くようになるまでは、ページの更新を1日3回以上おこなって、常に新着欄に表示されるよう努めました。私はいつも、アピールポイントのページに予約の空き日時を記載しているので、この日時を更新すれば、同時にページ更新ができます。メニュー内容の更新は2カ月に1回程度です。
「25日以降予約空き◎」の日付を変えて更新
説明を徹底して指名数とリピート率をアップ
―こまめな更新をしても、それだけで必ず指名数やリピート率が増えるとは限らないですよね。他になにか工夫をしていらっしゃると思うのですが、教えていただけますか?
提供するサービスの説明にこだわっています。新規、リピート、どちらのお客様に対しても、ていねいな説明を徹底しています。これだけで、指名数やリピート率は増やせると思います。なぜそのカットの仕方をするのか、なぜそのカラー剤を使うのか、なぜそのトリートメントが必要かなどについて説明します。技術や薬剤については、専門用語を使わず、美容師でなくても分かる言葉にかみ砕いて話します。そうしないと、せっかく説明しても何を言っているか分からず、かえって不親切になってしまいます。
説明をするのは、お客様にカット技術やカラー剤の知識をつけて欲しいからではありません。むしろ、覚えてくださらなくてもいいと思っています。お客様の髪にとってベストと思う技術を提供していることを感じてもらえ、仕上がりの納得度、満足度を高めてもらえたらいいんです。指名される美容師になるためには、ていねいな説明が欠かせないと思います。
―あまり会話をしたくないお客様もいると思いますが。
もちろん、お客様に合わせて会話する頻度は変えています。一方で、世間話はしたくないお客様でも、自分の髪やスタイリング方法、ケア方法などについての話は聞きたいという声は多く聞きます。私は、お客様のホームケアやスタイリングに役立つ情報は、できるだけお伝えするようにしています。実際に、お客様から「今までここまで詳しく説明してもらったことはなかった」というお言葉をよくいただきます。この方法でリピートにつながっていますので、私の考え方はあながち間違っていないと思っています。
愛情をもって接客すれば長く愛されるスタイリストになれる
―ていねいな説明の他にも、リピート率を上げる秘策がありますか?
ミニモでのリピート率の高さに関していうと、私は予約の窓口をミニモに集約していて、ミニモで来られたお客様をSNSへ誘導していない点は影響していると思います。私はフリーランスなので、予約管理や経理事務など、接客以外の業務もすべて一人で担当しなければいけません。できるだけ効率的に仕事をするために、予約の窓口は一つにしています。お客様も、ミニモの予約機能は使いやすいみたいなので、一石二鳥です。
もう一つ、接客時間をなるべく短くしている点も、リピートにつながっていると思います。ブリーチやカラー、カットにかける時間を削るのではなく、その前後にするべき準備をしっかりしているだけですが、たったそれだけで1組あたりの接客時間は数十分単位で短縮でき、お客様は早く終わって満足されますし、私はそのぶん多く予約を入れられます。
そして、なにより大切にしていること。それは、すべてのお客様、すべての技術に愛情を込めて取り組む姿勢です。カラーひとつとっても、ただお客様に言われた色を作って塗って、という無機質な作業にせず、いちばんキレイな状態にしてあげたい気持ちをもって色を選んだり、よろこんでいる顔を思いながらカラー剤を塗ったりしています。ばかばかしいと思われるかもしれませんが、愛情を込めるかどうかで、仕上がりのよさもお客様の満足度も大きく変わります。技術はあって当たり前。家族と同じくらい、お客様にも愛情をもって接することは、長く指名し続けてもらうためにもっとも大切な心掛けだと思います。
美容師であることと同じように、夫であり父であることを大切にしたい
―最後に、今後の目標を教えてください。
最終的には独立して自分の店を持つことが夢ですが、その前に一度、正社員になることも検討しています。昨年、2人目の子どもが生まれ、そろそろマイホームが欲しいと思うようになりました。家を買うにあたり、フリーランスだと契約に不利なんです。収入があっても、フリーランスだと融資やローンの与信審査が通りにくいので、正社員の道も検討しています。
美容師の仕事はとても楽しいですが、一方で、家族と幸せに暮らすために働いている一面もあります。稼ぐためにフリーランスになったのも家族のためなら、正社員になるのも家族のためです。子どもが1人だけだったときは、子育てのほとんどを妻に任せて私は週1回の休みで働きましたが、2人目となると妻だけでは大変なので、私の休日を増やし、子育ての時間を増やしました。ただ、労働時間を減らしても稼ぎを減らすわけにはいきません。いろいろ考えた結果、もともと安かったメニューの単価を少し上げて調整しました。家族あっての私なので、仕事と家庭のバランスをとりながら、今後も美容師として成長し続けたいと思います。
<編集後記>
常に高いリピート率であり続ける理由を「ていねいな説明」と「愛情」に尽きますと言い切った坂口さん。理屈や計算では生み出せない、サービス業の基本をついた考え方だと思いました。きっとご家族にも、いつも愛情をもって接していらっしゃるのだろうと想像します。