早期デビューの課題はサロンと共同で解決していく
―トップスタイリスト科の卒業生たちは早期デビューを目標としていると思いますが、就職先サロンの受け入れ態勢は整っていますか?
現在トップスタイリスト科の卒業生を採用してくださるサロンは、基本的に早期デビューを理解してくださっています。トップスタイリスト科の目的や授業内容を説明すると、ご賛同くださるサロンが多いです。
もちろん、課題がないわけではありません。例えば、シャンプーやカラーの技術ややり方はサロンごとに異なるため、学生時代の成績は満点でも就職したサロンのやり方に合っていないケースがあります。そうなると、サロンのやり方に合うまではスタイリストデビューさせるわけにはいきません。今後は、「トップスタイリスト科の卒業生は幅広いサロンに適合した総合力を持ち、即戦力になる」というお墨付きブランドになるべく、学校とサロン共同で積極的に動いていこうと思います。
トップスタイリスト科の早期デビューを『東大化計画』でブランド化
―お墨付きブランドにするための具体的な策はありますか?
実はいま、grico代表のエザキヨシタカさん、U-REALM代表の高木裕介さん、Belle代表の飯田尚士さんら、いわゆるカリスマ美容師の方々とともに、スタイリスト早期デビューをブランド化し新たなカリスマを育てる『東大化計画』を始めたところです。
※東大化とは未経験者を3年間で即戦力となる人材に育てていくプロジェクトです
美容師の3年離職率は80%以上と言われています。多くの美容師がアシスタントのうちに辞めているともいえます。離職理由は労働環境や待遇、人間関係など幅広いですが、もしも早くデビューできる環境であれば、もっと頑張れたかもしれません。
経営側から見ても、アシスタントには少しでも早くデビューしてもらい、売上を作ってもらうほうがいいと思います。
とはいえ、アシスタント経験は大事ですし、ここを端折ると経験不足によるトラブル発生の元になります。また、早期デビューの目的が認知されていないと、就職してすぐにスタイリストになるのは無理だ、経験不足だと歓迎しない美容師も出てくるでしょう。
これらの問題を解決するのが、トップスタイリスト科『東大化計画』です。
エザキさん、高木さん、飯田さんを始めとするカリスマスタイリストの指導、監修のもと、卒業後、どのサロンへ就職しても即戦力として働け、新卒の中でダントツのレベルを誇るスタイリストを育成します。
先ほど話したシャンプーテストを例に挙げると、サイドとバック、どちらのシャンプーにも対応でき、幅広いサロンのやり方に応用可能なスキルを身に着けます。その上で、エザキさんらトップスタイリストたちが「どこへ行っても通用する」というお墨付きを与えた学生にディプロマを発行します。
ディプロマを持った学生が就職先でスキルを発揮し、「トップスタイリスト科卒で早期デビューした人は即戦力になる!」という実績を積み上げていくことでブランドとなり、トップスタイリスト科が、美容専門学校界の東大になっていくイメージです。
早期デビューで美容師を定職にしてもらいたい
―『東大化計画』はすでに実行していますか?
2022年入学のトップスタイリスト科1年生から、授業に組み込んでいます。日本は少子化をたどる一方で、若手美容師の離職率は高いままです。また、今後は仕事に対する意欲が二文化していくと思われます。志高くキャリアアップを目指す人と、仕事に執着しない人です。
どちらの生き方もあっていいと思いますが、早期デビューという手に届くキャリアがあることで、美容師を定職にする人が増えると考えています。
すでに業界内では、同様の制度を設ける学校やサロンが出ています。当校トップスタイリスト科は、その中の東大になるべく、これからも進化しつづけます。
#最後までお読みいただきありがとうございました
業界でも定常的に議論されている美容師さんの離職問題。早期デビューだけが解決策ではないのは大前提として、美容学校とサロンが共に課題に目を向け新たな価値を見出そうとしている動きにとても明るい未来を感じました。大村美容ファッション専門学校が仕掛ける『東大化計画』の今後がとても楽しみです!