ミニモに登録するネイリストの中で、集客数・リピート率・客単価のすべてが平均値以上の人は数えるほどです。その中でもバランスよく高い数値を出しているのが、神奈川県・newi nail 横浜のネイリスト、risaさん。取材を申し込むと、risaさんは「高い技術は当たり前なので、接客で私が心掛けていることを話しますね」と言って対応してくださいました。
技術と接客の両方が揃ったときネイリストとしての評価が上がります
―最初に、risaさんのご経歴を教えてください。
私は、ネイリストになって今年で6年目です。いま所属しているnewi nail 横浜は美容室の中にあり、私は6年前まで、この美容室チェーンの別店舗でレセプションを担当していました。
レセプションの仕事はとてもやりがいがあり、極めるためにJBCA(ビューティーコーディネーター)の資格も取得し、7~8年続けました。でも心のどこかで「何か手に職をつけたい」という思いが強くなり、転職を考えるようになりました。いま思えば、レセプションも立派な専門職ですが、技術面ではお客様ともスタイリストとも間接的にしか関われないので、職人的な「手に職」の実感がなかったんでしょうね。
その後、タイミングよく会社がネイル事業を行うことになりました。私は子どものころからネイルが好きで、自分だけでなく母親の爪を借りてまでネイルをするような子だったので、ネイリストになると決めました。
とはいえ、急にネイリストになれるわけはなく、最初はレセプションをしながらネイルの勉強をさせてもらい、徐々にネイリストとして働く時間を増やしていく感じでした。そのため、デビューまで3年かかりました。
―レセプションとネイリストで、仕事に対する意識の違いはありますか?
まったく違います。レセプションはお客様と技術者をよりスムーズに、かつ心地よくつなげるスキルが問われますが、ネイリストはお客様が求める仕上がりの実現力と提案力、つまり技術が重視されます。
ただ、だからといってネイリストはひたすらネイルの技術だけを磨けばいいというわけではありません。お客様のご希望に応えるには、お客様のちょっとした言葉やしぐさから、希望や悩みに気付く力も求められます。この点は、レセプション経験が活かされていると感じます。
リピート率80%を生み出すコツとは?
―risaさんの気付く力が、高いリピート率につながっているのでしょうね。ミニモ上でのリピート率で約60%ですから、総合ではもっと高いですよね?
私の総合リピート率は80%です。ありがたいことに、10人の新規に対して8人がリピートしてくださっている計算になります。
―80%はすごい!気付く力の他にも、リピートしてもらうコツはありますか?
私は必ず、すべてのお客様に対して「リピートしてもらうために何をすべきか」考えながら接客しています。その中の一つに「進捗確認」があります。例えば、恋愛相談をしてくださるお客様なら、「次に来た時、彼とどうなったか教えて!」と次につながる会話でお見送りします。他に、仕上がり写真を必ず撮影して、お客様が帰られた後にメッセージと一緒に写真を送っています。
お客様は「お気に入り登録者」100人より1000人のネイリストを選ぶ
―新規客に自分を選んでもらうページづくりのコツもありますか?
ミニモを使って思ったのは、「お気に入り」登録してもらうことが大事ということです。お客様が初めて行く店を選ぶとき、お気に入り登録者数の多さは口コミと同じくらい、かなり重要な指標になっていると思うんです。お気に入り登録者が100人のネイリストより、1000人のネイリストのほうがよさそうに感じますよね。
持論ですが、新人さんが「お気に入り登録数」を増やすなら、モデル募集をしているうちがいいと思います。無料や安価で提供しているときのほうが「お気に入り登録」してくれる人が多いからです。
他に、写真の見せ方もかなり意識しています。やっぱり、可愛い写真の店に行きたいですよね。私はレセプション時代に撮影の勉強会に参加していたので、そのときに一眼レフの使い方やキレイに撮る方法を学びました。
同じエリアの他店にないキーワードを多用して差別化
―risaさんのページは、写真やメニューにニュアンスネイルが多いですね。
パット見て「newi nailはニュアンスネイルが得意」と分かるようにしています。店がニュアンスネイル推しなのもありますが、同じエリアのネイリストでニュアンスネイルをキーワードにしている人が少ないので、差別化の意味でもニュアンスネイルをページに多く取り入れています。ただ、ニュアンスネイルにもトレンドの移り変わりがあるため、時間さえあればインスタグラムなどのSNSでトレンドをチェックしています。
―レセプションとネイリストのどちらも経験したrisaさんならではの集客のコツを教えていただき、本当に勉強になりました。最後に、今後の目標を教えてください。
大きな目標として、ネイル事業内での店舗数を増やしていきたいと思っています。ある程度形になってきたら、美容室との併設型ではない一つの大きなネイルサロンを運営してみたいです。そのために毎日、小さな目標を達成する習慣をつけています。例えば「今日の新規のお客様は全員、次回の予約をとる」などです。日々の小さな目標達成の積み重ねが、大きな目標の達成につながると思っています。
編集後記
技術は高くて当たり前。その上で、お客様がネイルサロンに何を求めているかを考えれば、また会いたいと思ってもらえるネイリストになれる。そのことをロジカルに教えてくださったrisaさん。高いリピート率を誇るには理由があると、強く感じる取材でした。