予約時間の重複、予約NG枠にうっかり受注…サロンの管理ミスによる予約キャンセルはこうしてなくす!
「予約時間が重複してしまった」「稼働していない時間にうっかり予約を入れてしまった」「予約管理表への記入漏れで接客をお断りした」など、サロンの管理ミスが理由で予約をキャンセルした経験はありませんか?サロン都合によるキャンセルは、信用低下や顧客減少に直結します。今回は、予約が多いにも関わらず、サロン都合による予約キャンセルの発生率が極めて少ない、表参道のヘアサロンpolonの代表・鵜澤さんとスタイリストのカワノさんに、対策方法を聞きました。
代表 鵜澤一樹さん
―予約サイトやアプリは何を使っていますか?
鵜澤さん(以下、敬称略) 大手予約サイト2社、ミニモ、インスタ(Instagram)の5種類です。予約数が多いのは、ミニモ、H、インスタですね。それぞれ別に管理するのではなく、ひとつの管理ボードにまとめています。
カワノさん(以下、敬称略) 一般的な予約サイトやアプリは、予約表の空いている日時から希望日時を選んでもらう形式ですが、インスタは少し傾向が異なります。お客様が、自分の希望日時をDM(ダイレクトメール)で送ってくださって、それに返信する形式です。
鵜澤 複数の予約ツールを併用していても、管理表を1カ所にまとめていれば、予約時間が重複することはほとんどありません。
カワノ インスタも、こちらで予約状況を確認してから確定できるので、重複することはないです。
鵜澤 ただし、営業時間外に入ってきたネット予約は、たまに重複することがあります。
―その場合は、どのように対処しますか?
カワノ 重複しても、時間をずらしたりお断りしたりせず、基本的にそのまま予約を受けています。予め、2組重なっても大丈夫な体制にしているんです。
スタイリスト カワノチヒロさん
「マンツーマン絶対説からの脱却」が複数同時接客を可能に
―2組重なっても大丈夫な体制とは?
鵜澤 基本的にマンツーマン接客はせず、アシスタントをつけています。2組のお客様が重複したときは、アシスタントに適宜フォローしてもらいながら接客すれば、どちらのお客様もお待たせすることなく予定時間に終了します。もちろん、そのためのフォローアップ方法や技術をアシスタントに覚えてもらう作業は必要になりますが。
カワノ 同時に、アシスタントの顔をお客様に覚えてもらえるよう、会話のなかで紹介するように意識しています。名前を伝えるだけでなく、一緒にしゃべったりしながら、私とセットで信頼してもらえれば、ときどきアシスタントに任せても、不安に感じられることはないと思います。
鵜澤 お客様すべてが、マンツーマンを求めているわけじゃないんですよね。これは、僕の実体験で感じたことです。
僕はpolonをオープンさせる前に、経堂(東京都)や赤羽(東京都)のサロンで働いていました。経堂はマンツーマンで、赤羽はマンツーマンではありませんでした。その時からのお客様が今も通ってくださっていて、経堂のお客様は今もマンツーマンを希望されますが、赤羽のお客様は、ときどきアシスタントに交代しても、まったく気にされません。
つまり、接客はマンツーマンが最高の親切かというとその限りではなく、予約の入れやすさや接客時間など、他とのバランスをとりながら最高のサービスをつくることのほうが大切だと、僕は思っています。
マンツーマン接客を経験すると、それが最高のおもてなしのように考えてしまいがちですが、マンツーマンにこだわりすぎて、予約枠が減ったり、接客時間が長くなったり、価格が割高になったりしたら、意味がないですよね。
―フリー(指名なし)のお客様が重なった場合は、どのように担当スタイリストを決めていますか?
鵜澤 フリー客の担当順を決めていますので、その時の状況を見ながら順番に担当しています。
日時変更のお願いはお客様のメリットになる内容で
―どうしてもお客様に日時の変更をお願いせざるを得ないときは、どのようにしていますか?
カワノ 私は素直に「時間が押しちゃうかもしれないから、ちょっと時間ずらしてもらえませんか?」って相談しちゃいます。
鵜澤 僕は、「〇〇様のスタイリングはどうしても自分が担当したいので、時間を少し変更していただけませんか?」とお願いします。
カワノの言い方もそうですが、こちらの都合であっても、お客様のメリットにもなる理由でお願いすることが大事だと思います。
1.予約管理表は1カ所にまとめる
2.予約が重なっても対応できる体制をつくっておく
3.日時変更のお願いはお客様もメリットになる理由で
編集後記
最近は、ミニモをサロンや企業単位で取り入れている所が増えてきました。
今まで通り、個人としての強みやアピールポイントはしっかりと発信、強化しつつ、サロン単位でミニモに取り組んでもらえると、キャンセルやクレーム防止にもつながります。
お客様からの信頼度も満足度も上がるので、協力し合うのが大切なのだと改めて実感しました。