自分の腕を信じて料金を決める。その金額に納得するお客様がいればそれでいい
若い客層の街、東京・池袋で着実に施術料金を上げ続け、ミニモ利用開始時から3,000円の平均単価アップを実現させたelenaのスタイリスト・JIMMYさんに、料金アップのテクニックを教えてもらいました。イギリス・ロンドンでのスタイリスト経験を持つJIMMYさん。他国で活動したからこそ感じる日本のスタイリングの特徴もあると言います。
―ミニモはいつから使い始めましたか?
ロンドンでのスタイリスト活動を終えて帰国し、elenaに入った2019年9月からです。ミニモって、スタートから8年くらい経つんですね(2022年現在)。ロンドンへ行く5年前までは福岡県内のサロンにいたのですが、当時はミニモを知りませんでした。
ロンドンにはミニモなどの集客ツールはなく、口コミやホームページ、SNSでの集客がメインだったので「便利な集客ツールがあるな」と思いました。
戦略的に料金を上げて平均単価3,000円アップを実現!
―自分のページをつくるとき、こだわったポイントはありますか?
将来的に料金を上げていくことを念頭に置いてページを作成しました。ページをつくる前に、池袋の他店のスタイリストのページを見たら、池袋エリアは料金が低いというのが第一印象で。エリアの平均単価に合わせたメニューづくりも手法のひとつですが、僕は、自分の腕に見合うと思える料金で接客したいし、それについてきてくれるお客様がいればいいと考えました。
ロンドンのハイクラスサロンでは、スタイリストはドクターと同じくらいの信頼度があります。お客様は「スタイリストはベストなヘアスタイルにしてくれる」と信用して任せてくれますし、希望をはっきり伝えるぶん、期待通りにいかなかったときも、不満点をはっきり言ってくれます。この緊張感と信頼関係が、スタイリストの努力と自信につながっています。もしかすると、僕が自分に自信を持てるのは、ロンドンでの経験によるところがあるかもしれません。
単価アップのために僕がとった方法は、最初にギリギリまでメニュー料金を下げて客数を増やし、「予約がなかなか取れないスタイリスト」という看板(ブランド)を得ました。カットとカラーで4,900円、ロング料金なし。指名料もなし。カットのみなら2,300円。半年後には、ミニモだけで月130件は取れるようになり「予約が取れないスタイリスト」が実現しました。
次に、「予約が取れない人気スタイリスト」を付加価値にして、料金を上げました。カットとカラーは5,900円でロング料金はプラス500~1,000円。指名料が500円(集客ルートにより有無が異なる)です。これにより、平均単価は約6,000円から9,000円に上がりました。
―平均単価3,000円アップ!?すごいですね。そんなに上がったら、離れていくお客様もいたのでは?
そうですね。離れるお客様はもちろんいました。でも、僕を気に入ってくれて、料金を上げてもリピートしてくれるお客様もいる。僕は後者のお客様と出会うために多くのお客様を接客してきたので、離れていくお客様がいることは問題ではないです。
また、料金が安すぎると不安を感じる人や、ある程度の料金を払っても良い仕上がりにしたい新規のお客様が増えたので、結果、料金を上げて良かったと思っています。
1.メニュー料金をギリギリまで下げてとにかく客数を増やす
2.常に予約でいっぱいの状態をつくって「予約が取れないスタイリスト」になる
3.「予約が取れない人気スタイリスト」を付加価値にして料金を上げる
日本人のお客様は骨格に合わせたカット技術が特に必要。その理由は?
―料金以外でミニモのページづくりのこだわりはありますか?
写真ですね。お客様が検索するハッシュタグに「ショート」「ミディアム」「セミロング」のような長さ別の項目がありますが、「ショート」と「ミディアム」、「ミディアム」と「セミロング」など、どちらでも当てはまりそうなスタイルは、どちらからの検索でも表示されるようにして、お客様の選択範囲を広げています。結果、「すべて」のページには同じ写真が並ぶので、同じ写真が並んでも美しいように考えながらタグを決めています。
―最後に、ロンドンでのご経験ならではの気づきがあったら教えてください。
カット練習をするときのマネキン、ありますよね。マネキンの頭って理想の形なんですけど、日本人の頭って、ほとんどあの形じゃない。
ロンドンのお客様は、マネキンと同じ頭の形の人が多いから、マネキンで練習した通りにすれば上手くいくんですよ。裏を返せば、日本人のお客様の多くは、マネキンで練習した通りにカットしても、マネキンでの仕上がりのようにはならない。日本人の骨格に合わせた工夫と技術が必要だと、改めて感じました。
―ちなみに、JIMMYさんのお名前は本名ですか?
僕、大西たつのり って言います(笑)。
―もしかして……
そうです。ジミー大西さんからのJIMMYです。小学校の時からジミー大西さんの影響でジミーって呼ばれていました。ロンドンへ行ったとき、現地の人は「たつのり」の「つ」を発音しにくいから、じゃあ呼びやすいようにJIMMYでいこうって。
帰国後もJIMMYのままにしているのは、ロンドン時代のお客様がネットなどで僕を検索しやすいように、という思いからです。
帰国後の活動を福岡ではなく東京にしたのは、elenaの店長が知り合いということもありましたが、主な理由は「英語が話せて外国人のスタイリングもできる」という点を生かし、外国のお客様が多いエリアで働こうと思ったからです。帰国後まもなくコロナ禍になってしまって外国人のお客様が来ないので、実際は英語での接客はあまりできていないんです。早く多くの国のお客様を接客したいですね。英語力キープのためにも。
編集後記
ロンドンでのスタイリスト経験があるJIMMYさん。
海外での経験や知見を持っているからこそ、日本の良さに客観的に気づきつつ、セルフブランディングに自然と活かせている柔軟性をお話の中からとても感じました。
今後、海外からのお客様を担当して、東京でもグローバルに活躍して欲しいなと思いました!
活躍がとても楽しみです。