低価格店でも客層がいいサロンづくりに成功したネイリストを直撃取材！

自宅サロンで月最大200件の予約が入りリピーターも約70％。その秘訣は

コロナ禍の2020年、勤務していた新宿のネイルサロンを辞めて自宅サロンを本格始動させた、ネイリストのまるみ♡さん。スタートからずっと予約が途切れることなく、2年目の現在は月160～200件の来店があるといいます。その集客方法を取材するうち、まるみ♡さん流の「低単価でも、客層がいいサロンにする方法」があると分かりました。「低価格店は客層が悪い」説をくつがえすまるみ♡さんの集客術を、特別に教えてもらいました！

 
―ネイリスト歴は何年ですか？

もうすぐ5年目になります。ネイリストになる前は保育士で、そのときから趣味で友人にネイルをしていました。ところが、保育士になって2年半が経ったころ、勤務していた施設が倒産して、無職になってしまいました。ハローワークで職業訓練をすることになり、その中にネイリストの資格取得コースがあったので、この機会に資格を取りました。

ただ、この時点では、ネイリストを本業にするつもりはありませんでした。保育士として再就職するつもりだったんです。ですが、つなぎのつもりで自宅でやっていたネイリストの仕事が面白くなってきて。思い切ってネイリストだけでやっていくことを決め、新宿のネイルサロンに就職しました。

しばらくすると、新型コロナが広がり始め、感染を恐れたネイリストが1人、2人と辞めていきました。サロンは通常通り営業していたため、残ったスタッフは忙しさが倍増しました。加えて、母が体調を崩してしまい、看病の時間が必要になりました。自宅がある川崎（神奈川県）から新宿（東京都）へ通う間にも、母に何があるか分からない……　そんな不安もあり、新宿のサロンを辞めて、自宅サロンのみでやっていくことにしました。

―コロナ禍での独立は、集客が大変だったのでは？

実は、新宿のサロンで働いていたときから、勤務時間外に自宅でも営業していたんです。ミニモで集客はできていたので、集客面ではあまり不安はありませんでした。それよりも不安だったことがあって……。

 

いいお客さまを引き寄せるために〇〇〇〇を明記

 

―集客より不安なこととは？

当店のようにリーズナブルなファストサロンって、一般的に客層が悪いと言われていますよね。メンタル的に大丈夫かな、トラブルが起きないかな、と不安に思っていました。

新宿のサロンでも、ほとんどは素敵なお客さまでしたが、正直あまり喜ばしくないお客さまもいました。例えば、注意事項や追加料金の表記を確認せずに来店して、後で「こんなはずじゃなかった。追加料金を取られた。最悪の店」のような口コミを書かれたりすることがありました。

店に対する言いがかり的なご意見でも落ち込むのに、これを個人攻撃されたら、とてもじゃないけど辛くて耐えられない。そう思いました。

 
―何か対策をとったのですか？

はい。あらかじめ注意事項を詳しく、しかも厳しめに書いておき、これを読んでなお「それでも来たい」と思ってくださるお客さまだけに来てもらえばいいと思うことにしました。長い注意事項に対して「しっかりしたサロン」と捉えてくださる方に、悪い人はいないと思ったんです。

また、ミニモだからできる、プラスアルファの対策もあります。ミニモは予約したお客さまとメッセージのやりとりができるので、予約後にもう一度、ダメ押しで注意事項をお伝えしています。

 
―注意事項が多すぎて気分を害するお客さまもいそうですが…

注意事項を読まずに予約して、メッセージで再度送った注意事項を読んでキャンセルするお客さまもいます。でも、それでいいと思っています。説明や注意事項を読まないお客さまとは、どこかで何らかの認識の相違が生まれてしまう可能性が高いからです。

お客さまのご不満で多い項目の一つが、思っていた料金と違うことです。中には、追加料金の有無などの説明を読んでいない、説明されていない、というケースもけっこうあります。そのため私は、来店前のメッセージで、ご指定メニュー内容以外の希望はないか、フットかハンドかを必ず確認します。もしお客さまから「１本だけ長さ出しをしたい」とメッセージがきたら、「かしこまりました」だけでなく「追加料金は○○○円で、合計○○○〇円です」と明記しています。

このように、来店前に必要な質問をして意思の疎通を図っておくことで、トラブルはほぼなくなります。結果、私にとってもお客さまにとっても、気持ちいい時間を過ごせると思うんです。

私というネイリストを守れるのは私だけ。自分が楽しく仕事ができる状態をつくることも、個人事業主として大切な業務だと感じています。

 
―注意事項を見て納得してご来店されたお客さまなら、リピート率も高そうですね。

そうですね。事前に納得いただくことで、安くて満足いく仕上がりだと感じてもらえるのか、おかげさまで約70％の方がリピートです。現在、月に160～200組のご来店があり予約が取りにくい状態なので、新規枠を限定するなどして、リピーター様のストレスを減らしたいと考えています。

 

料金が安いメニューを割高に、高いメニューを割安にして単価アップに成功！

 

―今後、出店の可能性は？

今のところ、ないですね。私、ネイルと接客が大好きなんです。お店を出すと、通勤時間分の接客機会がなくなりますし、今みたいに早朝や深夜の予約を受けることも難しくなってしまうので、当面は自宅サロンのままだと思います。

ただ、値上げはしていく予定です。いま月に160～200組を接客していて、正直、限界を超えています。このままだと寝る時間もなくなってしまうので、早朝と深夜の料金を割高にしたり、ちょっと料金は高いけど内容は割安というメニューを増やしたりして、調整を始めました。

 
―効果のほどは？

ありました！安いメニューのオフ代を500円プラスしたところ、割高感が出たのか、それより上の料金で、割安感があるメニューに変更するお客さまが増えました。通ってくださるお客さまには本当に感謝してます。そのお客さまのためにも、長く楽しくネイリストを続けるためにも、単価を上げて、無理のない接客数に整えていこうと思います。

 

編集後記

たくさん予約の合間に、新規のご予約のやり取りも空き時間でこなされる時間の使い方は、成功者の「時間はつくる」感覚なんだなと、とても関心させられました。
お客様への注意事項をきちんと伝える勇気と、ご自身が楽しく仕事ができる環境つくりにも注力され、これから活躍するネイリストさんのお手本になりそうな良いお話をたくさん聞けました。

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