あなたのブランディング、「自分の売りたいポイント」で決めていませんか?
全国に90店舗を構える美容室チェーン「ミラーボール」グループの中で、トップクラスの集客力を誇るスタイリスト、tocca hair&treatment難波店のMAYUさん。入店3年目にして、グループの集客セミナー講師を務めるまでになったMAYUさんが、どのような工夫をしているのかを聞きました。いますぐ使えるテクニック満載の保存版です!!
ー最初に、MAYUさんのご経歴を教えてください。
私は20歳で美容師になり、25歳までは正社員としてサロンで働いていました。当時、集客はサロンがしてくれましたが、そのときから私は「将来を考えると、自分で集客できるようになっておいたほうがいい」と思うようになりました。そして25歳の年、2020年に業務委託の形で現在のサロン「tocca hair&treatment」へ転職しました。
ー業務委託で、しかも別のサロンへの転職となると、集客はほぼゼロからのスタートですよね。
はい。最初はゼロでした。そこからミニモを使ってブランディングをして、3カ月目に新規50名、9カ月目には指名で100名くらい集客できるようになり、現在は安定して月110~120名の集客ができています。カットが売りならもっと件数を入れられますが、私はブリーチやカラーのお客様が多いので、120件でもフル稼働です。
ブランディングは「自分が売りたいもの」ではなく「お客様が求めるもの」で決める
ーブランディングの効果が確実に現れたのですね。ぜひ、ブランディングのコツを教えて欲しいです!
実は私、もともとブランディングや文章を考えたりすることが苦手だったんです。だけど、将来を考えるといま習得しておいたほうがいいと思ったので、経営の指南書やコピーライティングの本を読み漁って勉強しました。最近では、『バカ売れキーワード1000』(堀田博和:KADOKAWA/中経出版)をリール(インスタグラム)のタイトルの参考にしています。
ブランディングで大事にしているのは、「お客様がいま何を求めているか」「将来どんなトレンドがくるか」を軸にコンセプトを決めることです。私の現在のブランディングは「韓国風」と「カラー特化」で、お客様から韓国風カラーのご要望が増えだしたことと、しばらく韓国ブームは続くという予想から決めました。コンセプトは「韓国」の1個だけでもよかったのですが、「韓国」と「カラー」のように2~3個を組み合わせたほうが、よりターゲット層が広がると思い、いまは2個にしています。
ー自分が何を売りたいかではなく、お客様が何を求めているかを軸に集客ページを作っていらっしゃるから、お客様が集まるんですね。勉強になります。お客様目線で集客ページを作るための具体的な方法を教えてください。
例えばメニュー名は、詳細ページへ行かなくても一目見れば分かるようにしています。同じくスナップフォトも、トップに表示される9枚に統一感を持たせ、パッと見れば何が得意なスタイリストなのか分かるようにしています。統一感は、ブランディングとの統一も重要です。
アピールポイントは、段落分けをして読みやすくしています。必要なメッセージをコンパクトにまとめ、あまり文章が多くならないように気を付けています。
お客様にとって、読んだり予約したりする手間はなるべく少ないほうがいいですよね。ミニモが予約ツールとしてお客様に人気な理由の一つは、サロン探しや予約が簡単だからだと思うんです。その気持ちに寄り添ったページづくりを心がければ、自然にお客様のニーズに応えるページになっていくと思います。
ーきっとカウンセリングのときも、お客様の立場にたって話していらっしゃるんでしょうね。
お客様がそう思ってくださっていたらうれしいですね。私のお客様は10代~20代後半の若い方が多く、初めてブリーチやハイトーンのカラーを入れる学生さんもいらっしゃるので、色の美しさや薬剤の説明だけでなく、ダメージや来店周期などの話もしっかりして、将来なりたいスタイルを見越した提案をしています。
集客力アップに欠かせないのは「気づき」と「継続」
ーこれまでのお話で、すごく研究していらっしゃることが伝わってきました。きっとトライ&エラーを繰り返してこられたと思うのですが、トライしてからエラーだと気づいて改善するまでに、どのくらいの期間あればいいですか?
人それぞれ違うと思いますが、私は新しい試みを始めて1~2カ月しても効果を感じなければ、作戦を変えます。そのためには、日頃から閲覧数やお気に入り数の増減、リピート率などのデータをチェックし、変化に気づくことが大切です。
私も、昨年の12月頃は売上の伸びが少し鈍ったので、9月~11月のデータを見ながら、何が原因かを分析しました。どうやら料金設定を変えたことで新規率が増え、リピーターの予約が入りにくくなっていると分かったので、リピーターも予約が入れやすいメニューに変更したところ、数字が回復して安定しました。
集客数を上げるテクニックは世の中に数多く存在しますが、それを知るだけに終わらず、継続してやってみることで効果は出ます。少しでも客数が減ったら、たまたまだと思わずに何が原因かを考えて改善し続ける。これをやっているかいないかが、集客力の差であり、顧客満足の差だと思います。
編集後記
編集部の質問に対して、必要な回答をコンパクトにまとめ、分かりやすく説明してくださったMAYUさん。勉強になるブランディングのテクニックをたくさんご紹介いただきましたが、その根底には「お客様の希望をかなえたい」「成長の継続」という2つの軸を感じられました。