業界の常識や固定観念を見つめ直すことがサービスの向上につながる
キャリア20年以上のベテランスタイリストでありながら、日々サロンに関する情報収集やサービス改善を続ける、lemi est 池袋西口店のHIRO GOTOさん。ミニモのアンケートやオンライン座談会にも積極的に参加してくださり、そこで得た情報は、自身の集客に生かしているそうです。今回は特別に、実績につながった改善テクニックを教えてもらいました。
―ミニモのオンライン座談会に参加していただき、ありがとうございます。なにか手ごたえは得られましたか?
ミニモを使いこなす方法や接客のコツなど、自分では思いつかない発想を知ることができました。
例えば、お客様が帰られた後のアフターフォローについて。これまで僕は、定型文をDMでお送りしていましたが、「ミニモはお客様と個別にメッセージのやりとりができるので、お客様が受けたメニューに対する個別のケア方法などを送ると、リピートにつながる」という参加者の話を聞き、自分も取り入れ始めました。
また、お客様に「口コミを書いてね」「なるべく良いこと書いてね」と言わないほうが、良い口コミを書いてもらえるという意見も、目から鱗が落ちる話でした。
僕はこれまで口コミ投稿のお願いをしていましたが、この話を聞いてから、言うのを止めました。すると本当に「口コミ書いてと言わないお店で、気持ちが良かった」という口コミ投稿が入り始めたんです。ますます「口コミ書いて」と言えなくはなりましたが、お願いしなくても口コミを書いていただけることが本来の姿ですし、ありがたいです。
―GOTOさんへの口コミに、「カウンセリングシート無しで、直接ヒアリングしてくれるのがいい」という投稿がありました。これも何か意図がありますか?
カウンセリングシートは古くからの習慣になっていて、最近まで疑いもせずに書いてもらっていました。
ある日、客として他のサロンへ行き、カウンセリングシートを記入していて、ふと思ったんです。「髪質は?」「髪の悩みは?」のような質問を、お客様に書かせる必要があるかなって。接客中に聞けば済みますし、そもそも、髪の質やくせは見れば分かります。それで、自分の店ではカウンセリングシートを無くしました。
そもそもカウンセリングシートは、まだ集客のツールがハガキや雑誌だった時代に、住所、名前、電話番号などの個人情報を得るために作られた一面があります。住所や電話番号を知らなくてもコミュニケーションが取れる現代には、合っていないんです。
「美容業界の当たり前だから」「昔からあるルールだから」を一度見直して、今の時代に合うサービスとは何かを考えることが必要です。それもあって、幅広い年代やキャリアの人たちとの情報交換に努めています。
その意味では他にも、トリートメントの浸透待ちで、お客様をシャンプー台→カット席→シャンプー台と移動させることを止めました。
これは、超音波アイロンの導入で実現できたことです。浸透待ちや移動を無くすと、接客時間が5分~10分ほど短縮されます。この時間を使って、より丁寧な仕上げをしたり、スタイリングのコツを説明したりしています。
お客様に選ばれたい気持ちや技術への自信は、言葉にしなければ伝わらない
―既存の常識を疑ってみることで、今の時代に合う正解が見えてくるのですね。その点は、ミニモのページづくりにも応用していますか?
ミニモのページづくりに関しては、業界の常識というより、自分の固定観念を打ち破る意識をしています。
僕は自己PRが苦手で、アピールポイントに「○○が得意!」「△△に自信あります!」などと書くのは、本当は恥ずかしいんです。そのため、ミニモを使い始めた頃の僕のページはとても簡素で、メニュー名も「カット」「カラー」などシンプルにしていました。
ですがそれでは、沢山いるスタイリストのなかから、お客様が僕を選ぶ理由がないんですよね。そう思ってからは、「自己PRなんて恥ずかしい」という自分を捨てて、得意な技術、お客様にできることを詳しく書くようにしました。メニュー名も、例えばカットなら、どんな仕上がりが期待できるカットなのか分かるネーミングにしました。「似合わせカット」のような書き方です。
日々の改善のおかげか、ミニモを使い始めた約3年前は、ミニモでの集客数は月に10件くらいでしたが、現在は月に70件から80件になりました。ミニモの運用歴が長いから信頼されやすくなったのかもしれませんが、何よりも、その日その日の最善なページづくりを心掛けることが、より良い成果につながると思います。
編集後記
ベテランスタイリストにも関わらず、とても謙虚で柔和なGOTOさん。
物腰の柔らかさからは、想像できないような革新的なお話しをたくさん聞かせていただきました!
当たり前のルールや、常識化した固定観念に捕らわれず、フラットな目線で常にアップデートしている姿勢はどの業界でも、これから大切になってくる要素だと思います。
ダーウィンの進化論の如く、進化していくことが生き残ることだと痛感しました。