ヘアサロン内で働くアイデザイナーってどう?月300件接客するアイデザイナーを直撃
大型サロンならではの職場環境が技術とやる気をアップしてくれる
全国47店舗を構える美容室グループMODE K’s(モードケイズ)に2022年3月、専任アイデザイナーが誕生しました。これまでも美容師と兼任のアイデザイナーはいましたが、専任は初だそう。初の専任アイデザイナー、魏千恵(ぎ・ちえ)さんに、アイデザイナーになった経緯や、ヘアサロン内でアイラッシュを提供するメリットなどについて教えてもらいました。
―数ある職業の中からアイデザイナーを選んだ理由は?
実は私、美容師としてMODE K’sに入社したんです。MODE K’sはアイラッシュにも力を入れていて、アシスタントにアイラッシュの技術も学ばせてくれます。美容師としてスタイリストデビューするには平均2年半かかりますが、アイデザイナーは2~3週間の研修を受けた後すぐにデビューします。早くデビューしてより多くのお客様を接客する経験を積むことは、美容師としての実力にもつながりますので、美容師とアイデザイナーを兼任するスタッフも複数います。
―魏さんはなぜ専任の道を選んだのですか?
アイデザイナーと美容師のアシスタントを兼任するうち、アイデザイナーのほうにより魅力を感じるようになったんです。でも、MODE K’sは兼任が基本。MODE K’sを辞めてアイラッシュサロンで働こうと思いマネージャーに相談したところ、専任でいいからこのまま働いて欲しいと言ってもらえたんです。
―兼任から専任になって変わったことはありますか?
ヘアとアイでは接客の工程や時間配分が違い、バランスを取るのが難しかったですが、すべてアイのお客様だけになったことで、1日のスケジュール管理がしやすくなりました。予約のスキマ時間が無くなったため、多いときは1日15件入れられ、月300件ほどの接客が可能になりました。
―月300件!すごいですね。どうやって集客していますか?
6~7割は再来のお客様なので、あまり新規の集客はしていないんです。価格設定が安いせいか、常に新規予約が入ってきます。本来、二回目以降のお客様は価格が上がる設定ですが、来店時にチケットを購入すると新規と変わらない価格になるシステムがあるため、再来率も高いんです。
大型サロンで働くメリットの一つは圧倒的な情報量
―心斎橋店にアイデザイナーは何人いますか?
私を含め7名います。私以外は美容師との兼任です。私はアイデザイナーになって二年目なので、まだまだ先輩方に教わることもたくさんあります。一年目のときは、本当になんでも、基礎から教えてくださいました。ミニモを使った集客方法も、先輩から教わって覚えました。
―ミニモでの集客方法、気になります。
はじめに、ミニモはとにかく更新が大事だと言われました。そこで、ちょっとの空き時間があれば何度でも更新して、常に新しく見えるようにしました。次に、写真は多いほうがいいので、接客したお客様の写真を積極的に投稿しました。合わせて、メニューやアピールポイントに、検索されやすいキーワードを入れるようにしました。
―検索されやすいキーワードなどの情報はどのように見つけていますか?
キーワードは、ミニモが毎月発表する検索ワードランキングをチェックしたり、店長が定期的に提案してくれる話題のキーワードを参考にしたりしています。
スタッフもお客様も多いサロンなので、キーワード以外のいろんな情報も知らず知らずのうちに耳に入ってきます。複数の人から幅広い情報を多く得られる点は、大型サロンのメリットですね。
責任を感じること、ライバルがいることがスキルアップの原動力
―他にサロン内でアイラッシュを提供するメリット、デメリットはありますか?
1番のメリットは、お客様が1カ所でヘアとアイを受けられる点だと思います。アイのお客様には、仕上がり後のお化粧直し時にヘアアイロンやコテを無料でお貸出ししています。アイはベットに仰向けになる時間が長くヘアスタイルが崩れがちなので、とても喜ばれています。別料金でタイミングの合うスタイリストに、プロの手でセットしてもらうこともできます。
店としては、ヘアとアイのセットがお気に召されたお客様がセットでヘアへのリピートにも繋がるのでサロン全体のメリットにもなります。
アイデザイナーとしては、マンツーマンでじっくり接客できる点がうれしいです。MODE K’sのヘア部門は、基本的に複数のスタッフで一人のお客様を接客します。時間と価格の顧客満足を考えてのことなのですが、私は一人のお客様を最初から最後まで任せてもらえることにも喜びを感じます。
専任になったことで、兼任のころよりアイデザイナーとしての責任は重くなりました。でも、責任を感じるほど、もっと技術力や接客力を上げたいという意欲につながります。また、私以外にもアイデザイナーが在籍しているので、いい意味でライバル意識が持て、それもスキルアップの原動力になっています。
私はいま、MODE K’s全店のアイデザイナーの中で、売上1~3位の間を行ったり来たりしています。いまの目標は、常にトップになること!まだまだ先輩方に比べると単価が1000円ほど低いので、徐々に単価上げながら、数字を伸ばしていきたいです。
編集後記
美容師とアイデザイナーを兼任するなかで、アイデザイナー一本にすることを決意した魏さん。
初の専任アイデザイナーや、最初から最後まで担当できることで責任感や技術力の向上の意欲につながる、と向上心のある姿勢は同じサロンで働いている人たちにも良い影響を与える存在なんだろうと思いました。