「東京か東京以外か」の概念から脱却 既存ルールに縛られない発想で独自のキャリア形成を
東京・原宿の美容専門学校を卒業後、都内で働くことなく宮城・仙台の美容室に就職した千葉大聖(ちばだいせい)さん。東京の美容室で腕を磨く選択肢は、初めからなかったといいます。理由を聞いてみると、そこには千葉さん流のキャリア美学がありました。
―ミニモはいつから使っていますか?
いま美容師歴4年目ですが、1年目から使っています。最初はカラーモデル募集をしていて、スタイリストデビューをしてからは、集客ツールとして活用しています。僕が働くエリアは学生のお客様が多く、ミニモのお客様層と合っていると思います。ミニモがあれば、東京ほど客数がいない仙台でも1カ月100件は接客できるので、本当に助かります。
―自己紹介に「東京・原宿で技術を学んだ」とあります。原宿のサロンで働いていたのですか?
いえ。原宿の美容専門学校に通って、卒業後すぐに仙台の美容室に就職しました。僕はもともと、そんなに「美容師になりたい!」と強く思っていたわけではなくて、実家が美容室ということもあって、「じゃあ美容師に…」のような感覚でした。せっかくなら東京で学んだ方がいいかなと思って原宿の専門学校を選びましたが、東京の美容室に就職するつもりはありませんでした。
―なぜ東京の美容室で働こうとは思わなかったのですか?
スタイリストになるまでに時間がかかるからです。東京の、とくに大型店に就職したら、スタイリストデビューまでに早くても3年くらいかかります。仙台なら、頑張れば早くて1年でスタイリストになれます。アシスタントを長く経験することも大事ですが、1日でも早くスタイリストデビューして、自分のお客様を受け持って経験を積んだ方が、3年後、4年後のスキルは上がると思ったんです。実際、専門学校時代の同級生で、都内の美容室で働いている友人のなかには、今もアシスタントでモデル募集をしている人もいます。どちらが良いかは人それぞれですが、僕は仙台の美容室に就職して良かったと思います。
スキルやセンスを磨くチャンスは仙台も東京も変わらない
―仙台と東京とでお客様層やスタイルのトレンドなどに違いはありますか?
仙台のお客様は東京のインスタなどから情報を得ているので、東京で流行ったものが少し遅れて仙台で流行る感覚はあります。ただ、僕が美容師になった4年前に比べると、そんなに地域差はなくなってきていると思います。お客様も美容師もネットで情報収集をしますから、トレンドをキャッチするスピードは、住んでいる場所よりも本人の収集意欲や感度によるところが大きいのではないでしょうか。
―情報収集はインスタが多いですか?
僕の場合は、ほぼインスタです。時間さえあれば見ています。よく見るのは、おしゃれな有名人と美容師です。モデルさんなどファッション関係の有名人は、見ればトレンドが分かるので必ずチェックします。前髪のスタイルや量感などヘアスタイルも参考になります。美容師は、フォロワー数が多い人、東京で活躍している人などを中心にチェックしています。美容師アカウントは美容師同士で相互フォローしている場合も多くて、カラー剤の種類やレシピを聞いて参考にしたりもしています。聞くとけっこう教えてくれるんです。僕も、聞かれたら答えるようにしています。
トレンドや新しいスタイリングの情報は、探せばネットで見つかる時代です。地方だから情報がこない、なんて時代ではなくなりました。どこで働くかよりも、どれだけ積極的に情報へのアンテナを張っているかで、センスやスキルは変わってくると思います。
「この人にお願いしたい!」「この人じゃないとだめ!」とお客様にいわれる美容師でいるためにも、お客様の幅広い興味に共感できるよう勉強したり、接客が事務作業のようにならないように気持ちを引き締めたりすることも、欠かせない日々の努力です。
編集後記
原宿の専門学校に通われていたが、周りと比べずご自身のキャリアを形成されている千葉さん。
今はスタイリストの在り方も多様性があるので、人それぞれの成功の形とキャリアがあるのを象徴しているなと思いました。
インスタでカラーのレシピを質問される話にはビックリしてしまいました!
これからの活躍も楽しみです。