ファンってどんな人?
津田:オーナーさんなら、サロンを立ち上げたときお店に込めた思いだったり、日々大切にしている考え方がありますよね。
ファンベースでは、そうした『企業やお店が大切にしている価値を支持してくれる人』をファンと定義しています。
津田:価値にはいくつかの種類があって、例えば「カットテクニックがある」といった機能面の価値ももちろん大事ですが、それだけではありません。
お店に流れる空気とか雰囲気だったり、オーナーさんの考えだったり、地域への貢献だったり……そうしたことを支持して、ずっと愛し支えてくれる人をファンと呼んでいます。
ファンには「機能価値」「情緒価値」「未来価値」の3つが大切
機能価値
津田:ファンベースでは、3つの価値を大事にしています。
1つ目の「機能価値」とは、企業やお店の特長のことで、そもそも機能価値がないとフィールドには立てないので重要です。
一方で、機能価値は真似されやすく当たり前になってしまうので、機能面で似たサロンが現れたとき、そちらへ顧客が流れてしまう可能性があります。
仮に類似店が現れたとしても、支持し続けてもらうには、真似されにくいサロン独自の唯一無二の価値である「情緒価値」と「未来価値」が必要です。
情緒価値
津田:情緒価値とは、例えば「どこよりも信頼できてリラックスできる」「オーナーの考え方に共感できる」といったお店体験を通じて生じるポジティブな感情です。
田中:僕は美容室で話すのが好きで、店員さんと会話することを求めているので、言われてみれば情緒的な理由でもサロンを選んで通い続けてるのかもしれません。
未来価値
津田:未来価値とは、お店やサービスを通して見た社会・未来に対するポジティブなイメージをいいます。
僕が通っているサロンは、オーナーさんが地元が大好きな人で、話していると地元愛が伝わってくるんです。
地域を愛しているオーナーさんの気持ちは、きっと訪れる街の人たちを明るくしていると思うし、「この店があるから、地域も明るくなる」と感じます。
例えばそんな未来価値もあります。
田中:最近だと、ヘアドネーションを取り入れて社会貢献をしているサロンを選ぶ人もいるようですね。
津田:そうですね、社会貢献を頑張っていることを未来価値に感じる人もいらっしゃると思います。
機能価値は最低限必要として、どれが正解と言うよりは、いろんな価値が組み合わさって「好きだ」という感情になっていくのだと思います。
お店が大事にしている色んなことを少しずつ伝えていく必要がありますね。
サロンを取り巻く「全ての人」がファンになり得る
津田:サロンのファンといわれると、つい来店客だけを捉えそうになりますが、実際はサロンを取り巻く全ての人がファンになってもらえる可能性があると思います。
例えば、来店客だけでなく来店客の家族もそう。
「娘をいつも可愛くしてくれるこのサロンが大好き」というお母さんもいますよね。
周りの友達にも話してお勧めしてくれているかもしれない。
従業員さんは一番のファンだと願いたいですね。数多あるサロンのなかで、そのサロンを選んで就職されているわけですので。
後ほど詳しく話しますが、従業員さんのサロンに対する思いは、接客中に滲み出てお客さまへ伝わっていきます。
従業員さんがサロンのファンかどうかってすごく大切なポイントです。
大事なことは、サロンを取り巻く「人」みんなを大切に、少し視野を広く捉えていただければと思います。
今回のまとめ ✅
- ファンとは、企業やお店を大切にしている価値を支持してくれる人のこと
- もちろん「機能価値」は重要だが、誰かに真似されにくい「情緒価値」「未来価値」を磨こう
次回、なぜいまファンが大切なのか深堀りしていきます。