価格帯の低さや短時間での施術を売りにしたサロンなどさまざまな業態のネイルサロンが増え、ネイルがより手軽に楽しめるようになった昨今。
その一方で人気なのが、個室でゆっくりとくつろぎながら施術を受けることができる「プライベートサロン」。お客さまから選ばれる理由はなんなのでしょうか?
今回は、神戸から上京し新宿でプライベートサロンを営む「Nail salon EPIC」山迫さまにお話をうかがいました。
新天地でスタート。大都会・東京へ勝負を挑む
―サロンを開業されたのはいつごろですか。
去年の秋頃に、サロンを開業するために神戸から上京してきました。
東京と神戸の大きなちがいは、やっぱり人口の多さ。東京のほうが何倍も人が多いぶん、興味を持ってくださる対象も多いじゃないですか。
そういった理由もあって東京で勝負をしてみたいなと思い、なかでも特に利用者の多い新宿という場所を選びました。
―集客ツールはどのように選んだのでしょうか?
はじめは友達の紹介だけで細々とやっていたのですが、本格的に新規のお客さまを集客したいなと思ったのが今年の初めくらい。
まだスタートしたばかりで知名度もない中でたくさんお金をかけるのは難しいなと思い迷っていたときに、友人の紹介でミニモを知りました。
―ずばり、ミニモを選んだ決め手は?
掲載をはじめる前に、自分でも美容院を探して予約して…とミニモでの集客の流れを体験。
ネイリストの掲載がたくさんあることもわかって、これなら簡単に始められそう!と思いスタートしました。
今は新規のお客さま・リピートのお客さま関係なく、基本的にはミニモから予約をしていただいています。
卸業からネイリストへ転身!?商品知識が豊富なワケ
―ネイリストになる前は、別のお仕事をされていたのだとか。
ネイリストとしてサロンをはじめる前、実はネイル用品の卸しをする会社で働いていたんです。なので、ジェルやパーツなどの商品知識はほかのネイリストの方には負けません!(笑)
―前のお仕事での経験が、ネイリストとしての活動に活かされているんですね。
卸しの仕事では、たとえばそれぞれのジェルにどういう成分が入っているか、どのような流れで作っているか、それぞれのメリットやデメリット…などネイル用品に関するさまざまな知識を学ぶことができ勉強になりました。
よく「ジェルネイルがすぐ取れちゃうタイプなんです」というお客さまがいらっしゃるんですが、水仕事や日常生活ってあまりジェルが取れる要因ではないんです。
一番はやっぱり技術者側の問題。何十種類もベースジェルがあるなかで、どのジェルがお客さまに合うのか見極めるのが大切ですね。
―実際に施術を受けたお客さまからの反応はいかがですか?
施術してから何週間か経ったあとに「いつもこの時期になると取れてしまうのに、持ちが良いのでびっくりしました」というメッセージをいただくこともあります。
「ネイルってこんなに持つんだ」と感動してリピートしてくださる方も多いので、うれしいですね。
お客さまに満足してもらうために。プライベートサロンだからこそできること
―人気のメニューはありますか?
今はワンカラーが人気です。シンプルなのでフォルムが一番出やすいんです。
フォルムはこだわっている部分なので、特に時間をかけています。その人の爪によって一番きれいに見えるフォルムがあるので、お客さまの爪を見て「ちょっと反り爪だな」と思ったらジェルを足してフォルム矯正をしたりとか。
お客さまからも「自分の爪じゃないみたい」というお声をいただきますね。
―カラーも迷ってしまいそうなくらい豊富…!
今用意しているカラーは、約300色。カウンセリングでは、まずサンプルのチップの中から好きな色を好きなだけ取ってもらうんです。
10色くらい選んでもらったら全部のチップをお客さまの爪に乗せていって、お客さまがちがうなと思ったものは候補から外して…。チップと実際に塗った色は多少見え方がちがうので、最終的に3色くらいまで絞った色のジェルを爪に乗せていきます。
途中で「これにします!」って決めてしまうと、施術してみたらイメージとちがったけど言えない…みたいなことがあるじゃないですか。
お客さまも選んでいるときが一番ワクワクしているのが伝わってくるので、なるべくギリギリまで悩めるようにしていますね。
―お客さまの希望に寄り添うために、カウンセリングに時間をかけているんですね。
「あぁ、失敗した…」という体験をお客さまにさせたくないと思っています。
ネイルって、1ヶ月くらい生活を共にするもの。「お客さまが本当にやりたい色」「本当にやりたいデザイン」を引き出せるように、なるべく口出しはしないようにしています。
デザインを選ぶときって「まあこれならマシかな」みたいに、やっぱりどこか妥協することが多いじゃないですか。なのでうちはデザインのサンプルは置いていないんですよ。
―あっ、本当だ!これもお客さまが本当にやりたいデザインを引き出すための仕組みなんですね。
たとえば「押し花をのせたい」という希望があったらいろいろな種類の押し花を乗せてみて、それが決まったら今度はその押し花に合うベースの色を選んで…。
時間をかけてでも満足できるデザインができるように、お話しながら一緒に作り上げていくようにしています。そこは短時間での施術を売りにしているサロンとの一番のちがい、プライベートサロンならではの強みかもしれないですね。
「自分にしかできない」唯一無二な施術を目指して
―今後はどのようなネイリストを目指していくのでしょうか。
今はお客さまのやりたいデザインを引き出すようにしていますが、自分の中にこれからやりたいデザインを秘めているんです。
今後は施術を通して「この人のお花の描き方がいいな」「パーツの置き方が好みだな」というふうに感じてもらって、「この人なら任せられる」という安心感を与えられたらいいなと思っています。
―「ファン」を増やしていくということですね。
似たようなデザインはたくさんあって誰にでもできるけど、私のデザインは私にしかできない。
私に施術してもらいたい・私のデザインにしたいというお客さまが来てくれたら、それだけで十分かなと思いますね。